「放課後等デイサービスを利用したいけれど、毎月どのくらいの料金がかかるのだろう」と不安に感じる方もいるでしょう。
放課後等デイサービスは、原則としてサービス費用の1割を利用者が負担する仕組みです。ただし、世帯の所得に応じて月ごとの負担上限額が設定されているため、必ずしも利用した回数に比例して負担が増え続けるわけではありません。
生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯では、サービス利用にかかる負担上限月額が0円になる場合もあります。
この記事では、放課後等デイサービスの自己負担額、所得区分、別途必要になる可能性がある実費、受給者証の手続きについてわかりやすく解説します。
放課後等デイサービスの料金は無料?基本の仕組み
放課後等デイサービスは、すべての利用者が無料で利用できるサービスではありません。
基本となるのは、サービスにかかる費用の原則1割を利用者が負担する仕組みです。
ただし、世帯の所得に応じて「負担上限月額」が設定されています。そのため、1か月のサービス利用者負担額が上限に達した場合は、原則としてそれ以上のサービス利用者負担は増えません。
一方、おやつ代や活動に伴う実費などは負担上限月額とは別に必要になることがあります。
生活保護受給世帯や非課税世帯では0円になる場合がある
生活保護受給世帯と市町村民税非課税世帯は、障害児通所支援のサービス利用にかかる負担上限月額が0円です。
ただし、「非課税世帯」に該当するかどうかは単純な年収だけでは判断できません。家族構成や所得、控除などによって変わるため、正確な区分は居住する市区町村に確認しましょう。
放課後等デイサービスの負担上限月額
放課後等デイサービスの負担上限月額は、世帯の市町村民税の課税状況や所得割額によって決まります。
| 所得区分 | 世帯の状況 | 負担上限月額 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税課税世帯で所得割額が28万円未満 | 4,600円 |
| 一般2 | 上記以外の世帯 | 37,200円 |
年収はあくまで参考にしかならず、実際の判定には市町村民税の所得割額などが用いられます。
自分の世帯がどの区分に該当するかわからない場合は、市区町村の障害福祉担当窓口などで確認すると確実です。
市町村民税の所得割額とは
市町村民税の所得割額とは、住民税のうち所得に応じて決まる部分です。
同程度の年収であっても、扶養状況や所得控除などによって所得割額は異なることがあります。そのため、「年収が○万円だから必ず4,600円」と判断することはできません。
住民税の課税証明書や税額決定通知書などで確認できますが、制度上の最終的な区分については市区町村に確認しましょう。
負担上限額を決める「世帯」の範囲
障害児通所支援の所得判定では、原則として保護者が属する住民基本台帳上の世帯が基準になります。
そのため、「共働きなら父母だけ」「祖父母と同居していても祖父母は必ず除外される」といった形で一律に判断することはできません。
同居している家族がいる場合や、住民票上の世帯が複雑な場合は、市区町村の窓口で確認することが大切です。
放課後等デイサービスの料金を具体例で確認
負担上限月額4,600円の世帯を例に考えてみましょう。
1か月の1割負担分が4,600円未満の場合
その月のサービス利用者負担額の合計が3,200円だった場合、実際に支払うサービス利用者負担額は3,200円です。
負担上限月額が4,600円だからといって、毎月必ず4,600円を支払うわけではありません。
1か月の1割負担分が4,600円を超えた場合
その月のサービス利用者負担額が8,000円相当になった場合でも、負担上限月額が4,600円であれば、サービス利用に対する自己負担は原則として4,600円までです。
ただし、おやつ代や外出時の費用などの実費は、この4,600円とは別に必要になる場合があります。
長期休暇中に利用回数が増えた場合
夏休みなどに利用回数が増えても、サービス利用者負担については月額の上限が適用されます。
ただし、実際に利用できる日数は、通所受給者証に記載された支給量や事業所の利用可能日、空き状況などによって異なります。
「上限額を払えば何日でも利用できる」という制度ではない点には注意しましょう。
きょうだいや複数の事業所を利用するときの上限額管理
同じ通所給付決定保護者のもとで複数のお子さんが障害児通所支援を利用している場合や、複数の事業所を利用している場合には、利用者負担を調整するための上限額管理が行われることがあります。
上限額管理が必要な場合には、対象となる事業所のうち一つが上限額管理を担当し、各事業所の利用者負担額を確認しながら調整します。
具体的な手続きや管理方法は利用状況によって異なるため、受給者証の交付時や複数事業所の利用を始める際に、市区町村や事業所へ確認しておくと安心です。
負担上限月額とは別にかかる可能性がある実費
放課後等デイサービスでは、サービス利用者負担とは別に実費が必要になることがあります。
代表的なものとしては、次のような費用があります。
- おやつや飲み物などの費用
- 工作などで使用する材料費
- 外出活動の交通費や入館料
- その他、活動に伴って個別に必要となる実費
実費の種類や金額は事業所によって異なります。
法定のサービス利用者負担とは別に費用を受け取る場合には、事業所から内容や金額について説明を受け、確認しておくことが大切です。
送迎に追加費用があるか確認する
放課後等デイサービスでは、学校や自宅への送迎を行っている事業所があります。
一方、送迎の有無、対象となる地域、利用条件、追加費用の取扱いなどは事業所によって異なります。
利用前には、次の点を確認しておきましょう。
- 学校や自宅が送迎エリアに含まれているか
- 送迎を利用できる曜日や時間
- 追加費用がある場合は、その内容と金額
- 長期休暇中の送迎方法
欠席時の費用も確認する
体調不良などで予定していた日に欠席することもあります。
欠席した場合の取扱いには制度上のルールがあり、単純に「休んだら通常の1日分がキャンセル料として必要」と一律に決まっているわけではありません。
事業所から費用について説明を受けた場合は、重要事項説明書や利用明細などで、どのような費用なのかを確認しましょう。
自治体独自の助成制度が利用できる場合もある
自治体によっては、国の利用者負担制度とは別に、障害児通所支援を利用する家庭への独自の助成制度を設けている場合があります。
制度の有無や対象者、助成額は自治体ごとに異なります。
次の方法で確認できます。
- 市区町村の公式サイトで「障害児通所支援」「放課後等デイサービス 助成」などと検索する
- 市区町村の障害福祉担当窓口に確認する
- 利用している相談支援事業所に相談する
自治体独自制度については、他の地域の情報をそのまま自分の地域に当てはめないよう注意しましょう。
放課後等デイサービスを利用するまでの基本的な流れ
放課後等デイサービスを利用するためには、市区町村から通所給付決定を受け、通所受給者証の交付を受ける必要があります。
一般的な流れは次のとおりです。
- 市区町村の障害福祉担当窓口などへ相談する
- 障害児通所支援の利用申請を行う
- 障害児支援利用計画案などを準備する
- 市区町村による調査や審査を受ける
- 支給決定後、通所受給者証の交付を受ける
- 利用する事業所と契約する
- 利用を開始する
事業所の見学は、申請前や手続きと並行して行える場合があります。
また、障害児支援利用計画案は相談支援事業所が作成する方法のほか、自治体の取扱いによっては保護者が作成する計画を利用できる場合もあります。
申請に必要な書類は自治体によって異なる
申請時に必要となる書類は自治体やお子さんの状況によって異なります。
例として、次のような書類や情報を求められる場合があります。
- 障害児通所給付費の支給申請書
- 本人確認書類やマイナンバーに関する書類
- 障害児支援利用計画案など
- お子さんの状態や支援の必要性を確認するための資料
- 所得区分を確認するために必要な情報や書類
診断書や医師の意見書などが必要になる場合もありますが、必要書類を全国一律に決めることはできません。
申請前に居住する市区町村へ確認しておくと、手続きを進めやすくなります。
負担上限額が見直される時期
負担上限月額は、原則として年1回、直近に把握された所得状況に基づいて認定されます。
放課後等デイサービスなど施設入所以外の利用者については、原則として年1回、支給決定月に負担上限月額が認定されます。
また、世帯員の構成など世帯の状況が変化した場合には、市区町村へ変更を届け出る必要があります。状況によっては、負担上限月額が変更されることがあります。
所得や世帯状況に大きな変化があった場合は、市区町村の障害福祉担当窓口へ確認しましょう。
料金以外で放課後等デイサービスを選ぶポイント
負担額を確認した後は、お子さんや家庭の状況に合う事業所かどうかを確認することも大切です。
支援内容がお子さんに合っているか
放課後等デイサービスによって、活動内容や支援の方法は異なります。
たとえば、次のような活動を取り入れている事業所があります。
- 宿題や学習を支える活動
- 運動や感覚を取り入れた活動
- コミュニケーションや人との関わりを支える活動
- 創作や音楽などを楽しむ活動
- 日常生活に必要な力を身につけるための活動
活動の種類だけを見るのではなく、お子さんの状況をどのように把握し、どのような目標を設定して支援しているのかも確認しましょう。
スタッフの関わり方や支援体制を確認する
見学では、スタッフの資格だけでなく、実際のお子さんへの声かけや関わり方、事業所内の雰囲気なども確認すると参考になります。
作業療法士や言語聴覚士などの専門職が配置されている事業所もありますが、専門職の有無だけで支援の質が決まるわけではありません。
お子さんに必要な支援と事業所の支援方針が合っているかを確認することが大切です。
送迎エリア・利用時間・休業日を確認する
継続して利用するためには、家庭の生活に無理なく組み込めるかどうかも確認しておきましょう。
- 自宅や学校が送迎エリアに含まれているか
- 利用できる時間帯
- 土曜日や長期休暇中の開所状況
- 休業日
- 送迎時間や送迎方法
特に学校の下校時間や保護者の勤務時間との兼ね合いは、事前に確認しておくと利用後の負担を減らしやすくなります。
契約前に確認したい費用
契約前には、法定の利用者負担だけでなく、実費を含めた費用全体を確認しましょう。
- 負担上限月額
- おやつ代や教材・活動費
- 外出活動で必要になる費用
- 送迎に関する費用の有無
- 欠席時の取扱い
- 支払い方法と請求時期
重要事項説明書や契約書を確認し、不明な費用がある場合は契約前に説明を受けることが大切です。
まとめ|放課後等デイサービスの料金は所得に応じた上限がある
放課後等デイサービスは、原則としてサービス費用の1割を利用者が負担します。ただし、所得に応じて負担上限月額が設定されています。
生活保護受給世帯と市町村民税非課税世帯は0円、一般1は4,600円、一般2は37,200円が負担上限月額です。
一方、おやつ代や外出時の費用などの実費は、負担上限月額とは別に必要になる場合があります。
また、所得区分は単純な年収だけでは判断できず、障害児の場合は保護者が属する住民基本台帳上の世帯を基準として判定されます。
正確な負担上限月額や必要書類、自治体独自の助成制度については、居住する市区町村の障害福祉担当窓口などで確認したうえで利用手続きを進めましょう。

