放課後等デイサービスを利用するとき、「学校まで迎えに来てもらえるのか」「活動後は自宅まで送ってもらえるのか」と気になる保護者の方もいるのではないでしょうか。
放課後等デイサービスの送迎は、すべての事業所に義務付けられているサービスではありません。送迎の有無や範囲、時間帯、引き渡し方法は、事業所の職員体制や車両、送迎ルート、安全管理の方針などによって異なります。
この記事では、学校への迎えや自宅への送りの一般的な流れ、送迎範囲を確認するときのポイント、学校休業日の対応、安全面で見ておきたい項目を解説します。具体的な対応については、利用を検討している事業所の重要事項説明書や送迎規程を確認してください。
放課後等デイサービスの送迎は必須サービスではない
放課後等デイサービスの中には、学校や自宅への送迎を実施している事業所があります。一方で、送迎を行っていない事業所や、学校への迎えと自宅への送りのどちらか一方だけに対応している事業所もあります。
送迎を利用できるかどうかは、主に次の条件によって決まります。
- 事業所が送迎サービスを実施しているか
- 自宅や学校が送迎範囲に含まれているか
- 学校の下校時刻と送迎ルートが合うか
- 車両や職員の体制が整っているか
- こどもの状態に必要な設備や支援体制があるか
送迎範囲外であっても、保護者が事業所まで送り迎えすることで利用できる場合があります。送迎を利用できないことと、放課後等デイサービスそのものを利用できないことは分けて考えましょう。
学校がある日の送迎パターン
学校がある日は、授業終了後に事業所の車が学校へ迎えに行き、活動後に自宅や事前に決めた場所まで送る形がよく採用されています。
ただし、すべての事業所が学校迎えと自宅送りの両方に対応しているとは限りません。次のような利用方法もあります。
- 学校への迎えと自宅への送りの両方を利用する
- 学校への迎えだけを利用し、帰りは保護者が迎えに行く
- 保護者が事業所まで送り、帰りだけ送迎を利用する
- 行き帰りとも保護者が送迎する
家庭の生活リズムや勤務時間だけでなく、こどもの負担や送迎車で過ごす時間も考慮して選ぶことが大切です。
放課後等デイサービスの送迎範囲はどこまで?
放課後等デイサービスの送迎範囲について、全国共通の距離基準はありません。事業所が定める通常の事業実施地域、対象となる学校、職員体制、車両数、道路状況などを踏まえて設定されます。
送迎範囲の定め方には、次のような例があります。
- 特定の市区町村や学区を対象にする
- 事業所から一定の範囲を対象にする
- 送迎可能な学校をあらかじめ定める
- 道路状況や所要時間を踏まえて個別に判断する
自宅が範囲内でも、通っている学校が送迎ルートに含まれていないことがあります。反対に、学校への迎えには対応できても、自宅への送りは範囲外となる場合もあります。
見学や面談の際には、自宅と学校の住所を伝え、行きと帰りの両方に対応できるか確認しましょう。
送迎範囲外だった場合の選択肢
希望する事業所の送迎範囲外だった場合は、次のような方法を相談できることがあります。
- 保護者が事業所まで送り迎えする
- 事業所が指定する安全な待ち合わせ場所を利用する
- 行きまたは帰りの片道だけ送迎を利用する
- 自宅や学校に対応できる別の事業所を検討する
待ち合わせ場所での乗降に対応できるかどうかは、事業所の安全管理方針によって異なります。場所だけでなく、誰が付き添い、誰に引き渡すのかまで確認することが重要です。
学校への迎えで確認したいこと
学校への迎えを行う場合は、学校、家庭、放課後等デイサービスの三者で、下校時刻や引き渡し方法を共有しておく必要があります。
特に確認しておきたい項目は次のとおりです。
- 職員と合流する場所
- 学校側の引き渡し手順
- 通常授業と短縮授業の下校時刻
- 学校行事や振替休日の予定
- 欠席や早退時の連絡方法
- 送迎車が遅れた場合の待機場所
- 事故や災害が起きた場合の連絡体制
学校や学年、曜日によって下校時刻が異なることがあります。放課後等デイサービスを利用する曜日が決まったら、学校と事業所の双方に予定を伝えておきましょう。
また、学校と事業所がこどもの支援内容などの個人情報を共有する場合は、保護者の同意が必要です。情報をどこまで共有するかについても、契約時に確認しておくと安心です。
自宅送りの引き渡し方法
活動後の送り先は、自宅のほか、事前に登録した場所が認められる場合があります。ただし、玄関前、マンションのエントランス、指定した待ち合わせ場所など、対応できる場所は事業所によって異なります。
安全のため、保護者または事前に登録した代理人への直接の引き渡しを求める事業所もあります。保護者が不在の住宅にこどもだけを残す対応については、年齢やこどもの状態だけでなく、事業所の規程や個別支援上の判断によって異なります。
契約前に、次の点を確認しておきましょう。
- 保護者の在宅が必要か
- 祖父母などを代理の受取人として登録できるか
- きょうだいへの引き渡しが認められるか
- マンションではどこまで送ってもらえるか
- 予定時刻に受け取れない場合はどうなるか
送迎時間と乗車時間は事業所によって異なる
送迎の出発時刻や到着予定時刻についても、全国共通の決まりはありません。事業所の営業時間、活動終了時刻、利用人数、道路状況、送迎ルートなどによって変わります。
複数のこどもが同じ車両に乗る場合は、乗降の順番によって到着時刻や乗車時間が異なります。交通渋滞や悪天候、学校の下校時刻の変更などによって、予定より遅れることもあります。
見学時には、単に到着予定時刻を聞くだけでなく、次の項目も確認するとよいでしょう。
- おおよその到着時間帯
- 送迎車に乗る時間の目安
- 到着が遅れる場合の連絡方法
- 送迎順を変更できるか
- 長時間の乗車が難しい場合に相談できるか
土曜日・祝日・長期休暇の送迎
学校休業日に開所する事業所では、自宅や事前に決めた場所への迎えと送りを行う場合があります。ただし、土曜日や祝日に開所していない事業所もあるため、最初に営業日を確認してください。
春休み、夏休み、冬休みなどは、通常の学校迎えとは異なる送迎ルートになることがあります。利用希望が集中すると、迎えや送りの時間帯が普段と変わる場合もあります。
学校休業日については、次の項目を確認しておきましょう。
- 自宅迎えに対応しているか
- 送迎の予定時刻をいつ知らせてもらえるか
- 利用予定日の提出期限
- 弁当や飲み物を持参する必要があるか
- 振替休日や急な休校に対応できるか
急な休校や学級閉鎖については、職員や車両を確保できず、通常どおりの送迎に対応できない場合があります。対応方法をあらかじめ確認しておくことが大切です。
送迎の安全対策も確認する
送迎の利便性だけでなく、安全管理の体制も事業所選びの重要な確認項目です。
見学や面談では、次の点について説明を受けましょう。
- 乗車時と降車時の点呼・所在確認の方法
- 送迎車に必要な安全装置を設置しているか
- シートベルトやチャイルドシートの使用方法
- 運転担当者と添乗職員の体制
- 送迎中の事故や体調不良への対応
- 保護者への緊急連絡方法
- 車椅子や医療的ケアに対応できる車両・職員体制
車椅子を利用している場合や、送迎中にも医療的ケアが必要な場合は、車両だけでなく、必要な対応ができる職員が乗車するかも確認してください。
送迎を利用する前に確認したい7つのポイント
送迎に関する認識の違いを防ぐため、契約前に次の7点を確認しましょう。
- 送迎サービスを実施しているか
- 自宅と学校の両方が送迎範囲に含まれているか
- 行きと帰りのどちらに対応しているか
- 引き渡し場所と受取人の条件
- 学校休業日の送迎方法
- 乗車時間の目安と安全管理体制
- 送迎に関連して別途費用があると説明された場合、その対象と根拠
送迎に関連する費用が発生すると説明された場合は、何に対する費用なのか、障害児通所給付費等の対象となるサービスと重複していないか、金額や計算方法が書面で示されているかを確認してください。
口頭での説明だけでなく、契約書や重要事項説明書に記載されている内容も確認し、分からない部分は契約前に整理しておきましょう。
送迎に関するよくある質問
保護者が不在でも自宅まで送ってもらえますか?
保護者が不在の場合の対応は、事業所によって異なります。保護者または登録した代理人への直接の引き渡しを条件としている事業所もあります。
仕事などで保護者本人が受け取れない場合は、祖父母などを代理の受取人として登録できるか、事前に確認してください。
送迎車にはどのくらい乗りますか?
乗車時間は、送迎ルート、利用人数、自宅の位置、道路状況などによって変わります。同じ事業所でも、曜日や利用者の組み合わせによって異なる場合があります。
長時間の乗車がこどもの負担になる可能性がある場合は、契約前に最大乗車時間の目安や送迎順について相談しましょう。
きょうだいが別々の事業所を利用する場合はどうなりますか?
それぞれの事業所が定める送迎時間と引き渡しルールに従います。到着時間が重なる可能性もあるため、各事業所にきょうだいの利用状況を伝え、家庭で無理なく受け取れるか確認することが大切です。
送迎中に体調不良や事故が起きた場合はどうなりますか?
送迎中に体調の急変や事故が起きた場合は、事業所の緊急時対応マニュアルに沿って対応します。保護者への連絡や応急対応を行い、状態に応じて救急要請や医療機関への相談が必要になる場合があります。
持病、アレルギー、服薬、発作など、緊急時の対応に必要な情報は事前に事業所へ伝えてください。緊急連絡先や受診先についても共有しておきましょう。
送迎に別料金がかかりますか?
障害児通所給付費等に含まれる費用については、通常の利用者負担とは別に保護者から徴収することはできません。
給付費の対象外となる費用を求められる場合は、給付対象となるサービスとの重複がないことに加え、費用の使途や金額、支払いを求める理由について事前に書面で説明を受け、同意する必要があります。
費用の内容や根拠が分からない場合は、市区町村の障害児支援担当窓口や相談支援事業所に確認する方法もあります。
まとめ|送迎範囲と引き渡し条件を契約前に確認しよう
放課後等デイサービスの送迎は、すべての事業所が同じ条件で提供しているわけではありません。学校への迎えや自宅への送りの有無、送迎範囲、時間帯、引き渡し場所、受取人の条件などは事業所ごとに異なります。
送迎範囲外でも、保護者が事業所まで送り迎えすることで利用できる場合があります。送迎だけで判断せず、支援内容やこどもとの相性、安全管理体制なども含めて比較することが大切です。
見学や面談の際は、送迎ルートや到着時刻だけでなく、乗車時間、安全対策、緊急時の連絡方法、費用負担についても確認しましょう。家庭の生活リズムとこどもの状態に合う利用方法を、事業所と相談しながら検討してください。

