「今日、うちの子は放課後等デイサービスでどう過ごしたんだろう?」そんなことが気になる保護者の方もいるでしょう。学校とは違う場所で子どもが過ごす時間は、家庭からは見えにくいものです。
そこで情報共有に役立つのが「連絡帳」です。紙の連絡帳やアプリなどを通して、事業所での様子を知ったり、家庭での情報を伝えたりできます。
ただし、連絡帳の有無や形式、記入頻度、共有される内容は事業所によって異なります。
この記事では、次のことが分かります。
- 連絡帳で共有されることが多い内容
- 家庭から伝えるとよいこと
- 学校の連絡帳との違い
- 事業所のスタッフと情報共有する際のコツ
放課後等デイサービスとのコミュニケーションを考える際の参考にしてください。
放課後等デイサービスにおける連絡帳の役割
放課後等デイサービスでは、家庭と事業所が子どもの状態や日々の様子を共有することが大切です。連絡帳は、そのために使われる方法の一つです。
事業所によっては紙の連絡帳ではなく、アプリや口頭での連絡などを採用している場合もあります。ここでは、一般的な連絡帳の役割と種類について整理します。
連絡帳は「その日の様子」を共有する情報ツール
連絡帳では、その日の活動内容や子どもの様子などが共有されることがあります。事業所で過ごしている時間は、保護者から直接見えないためです。
たとえば「今日は工作に集中して取り組んでいました」「おやつの時間に友だちと笑顔で話していました」といった具体的な様子が記録される場合があります。
日々の記録を通して、家庭とは違う場面での子どもの様子を知るきっかけになります。
保護者と事業所の情報共有に役立つ
連絡帳は、保護者と事業所の間で情報を共有するために役立ちます。また、必要に応じて学校での出来事を事業所に伝えたり、事業所での様子を学校との連携に活かしたりすることもあります。
たとえば学校で疲れる出来事があったことを事業所が知っていれば、その日の関わり方を考える際の参考になります。
学校と事業所が直接情報を共有する場合は、保護者への説明や同意、個人情報の取扱いに関するルールなどに沿って行われます。
紙の連絡帳とアプリ(デジタル連絡帳)の違い
事業所によっては、紙の連絡帳のほか、専用アプリなどを利用している場合があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
| 種類 | 主な特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 紙の連絡帳 | 手書きで記入でき、後から読み返しやすい | 持参を忘れるとその日に確認できない場合がある |
| アプリ | スマートフォンなどから確認・入力できる | 利用には端末や通信環境が必要になる場合がある |
アプリによっては写真などを共有できるものもありますが、機能や個人情報の取扱い方法はサービスや事業所によって異なります。
どのような方法で情報共有をしているのかは、利用前や見学時に確認しておくとよいでしょう。
連絡帳で共有される主な内容
連絡帳に記載される内容は事業所によって異なります。ここでは、一般的に共有されることがある内容を紹介します。
①その日の活動内容(プログラム・イベント・外出など)
その日に行った活動内容が記載されることがあります。子どもがどのような体験をしたのかを知る手がかりになります。
たとえば、次のような内容です。
- 運動を取り入れた活動
- 工作や絵画などの創作活動
- 公園などへの外出活動
- 宿題などの学習に関する支援
活動内容が分かれば、家庭で「今日は工作をしたんだね」などと話すきっかけにもなります。
②子どもの様子や友だちとの関わり
活動内容だけでなく、子どもの表情や他の子どもとの関わりなどが共有される場合もあります。
たとえば「自分から遊びに誘っていました」「片付けの時間に声をかけると取り組めました」といった具体的なエピソードです。
こうした情報を積み重ねることで、家庭とは異なる場面での子どもの様子や変化を知る参考になります。
③困りごとや体調・行動の変化
うまくできたことだけでなく、その日に気になった様子や困りごとが共有されることもあります。
たとえば「今日は普段より落ち着かない様子がありました」「遊びの中で他の子どもとのやりとりが難しい場面がありました」といった内容です。
家庭と事業所で情報を共有しておくことで、その後の関わり方を考える際の参考になります。
④食事・排泄・体調など生活面の記録
事業所の支援内容や子どもの状況に応じて、生活面に関する情報が記録される場合があります。
- おやつや食事の様子
- 排泄の様子
- 体温や体調の変化
- 休憩した時間やそのときの様子
- 服薬に関する情報
服薬については、薬の預かりや服薬への対応方法が事業所によって異なります。服薬に関する対応が必要な場合は、事前に事業所のルールや必要な手続きを確認してください。
⑤スタッフからのコメントや関わり方の工夫
連絡帳には、スタッフがその日に行った関わり方や工夫が記載されることもあります。
たとえば「言葉だけでなく絵カードを見せると理解しやすそうでした」「途中で休憩を入れながら活動しました」といった内容です。
家庭での関わり方を考える際にも、参考になる場合があります。
家庭から連絡帳で伝えたいこと
連絡帳は、事業所から家庭へ情報を伝えるだけでなく、家庭から事業所へ情報を共有するためにも利用できます。
子どもの状態に関係しそうな情報があれば、無理のない範囲で伝えてみましょう。
体調や睡眠、朝の様子
その日の体調や睡眠、朝の様子は、事業所での関わり方を考えるうえで参考になる情報です。
たとえば「昨夜はあまり眠れていません」「朝から少し咳が出ています」といった情報があれば、スタッフが子どもの状態を確認しながら活動を考える際の参考になります。
気になる体調変化がある場合は、連絡帳だけでなく、事業所のルールに従って電話などでも伝えましょう。
学校での出来事や気分の変化
学校での出来事も、必要に応じて伝えておくとよいでしょう。
たとえば「今日は運動会の練習があり、疲れているようです」「友だちとの出来事を気にしているようです」といった情報です。
事前に状態が分かることで、スタッフがその日の様子を確認する際の参考になります。
家庭でできたことや困っていること
家庭でできるようになったことや、保護者が困っていることも情報共有の材料になります。
たとえば次のような内容です。
- 「自分で靴下を履けました」
- 「歯磨きを嫌がることが増えています」
- 「初めての食べ物に挑戦できました」
- 「最近、夜なかなか寝つけない日があります」
事業所でも似た様子があるかを確認したり、支援を考える際の参考にしたりできます。
事業所へのお願いや相談事項
事業所に相談したいことがある場合は、連絡帳に書くこともできます。ただし、対応できる内容は事業所の支援方針や子どもの個別支援計画、体制などによって異なります。
たとえば「水分補給の声かけについて相談したいです」「トイレの声かけのタイミングについて相談できますか」といった形で伝えるとよいでしょう。
詳しく相談したい場合は「一度お電話や面談で相談したいです」と伝える方法もあります。
伝え方のコツは「簡潔・具体的」
家庭から情報を伝えるときは、長い文章を書く必要はありません。必要な内容を簡潔に伝えることが大切です。
- いつの出来事かを書く
- 具体的な様子を書く
- 気になっていることを明確にする
- 質問がある場合は分かりやすく書く
毎回詳しく書かなければならないわけではありません。事業所の運用に合わせながら、無理のない方法で情報共有を続けていきましょう。
学校の連絡帳との違い
学校と放課後等デイサービスでは役割が異なるため、連絡帳で扱われる内容にも違いがみられます。
ただし、学校・事業所ともに運用方法はそれぞれ異なります。ここでは一般的な傾向として整理します。
目的や役割の違い
学校の連絡帳では、授業、宿題、持ち物、行事、学校生活などに関する情報が扱われることがあります。
一方、放課後等デイサービスでは、その日の活動や子どもの様子、支援で行った工夫、生活面などについて共有されることがあります。
ただし、具体的な記載内容や頻度は学校・事業所によって異なります。
記載される内容の傾向
| 項目 | 学校 | 放課後等デイサービス |
|---|---|---|
| 主な内容の例 | 授業、宿題、持ち物、行事、学校生活 | 活動内容、子どもの様子、支援での工夫 |
| 記載者の例 | 教職員、保護者、本人など | 事業所スタッフ、保護者など |
| 主な視点 | 学校生活や学習に関する情報 | 支援中の様子や生活に関する情報 |
実際の使い方はそれぞれ異なるため、学校や事業所のルールを確認することが大切です。
やりとりの頻度もそれぞれ異なる
学校の連絡帳、放課後等デイサービスの連絡帳ともに、記入頻度や文章量に統一された決まりがあるわけではありません。
利用日ごとに記録する事業所もあれば、必要な情報を中心に共有する事業所、アプリや送迎時の口頭連絡を併用する事業所もあります。
情報量だけでなく、必要な情報が家庭と事業所の間で共有できているかを見ることが大切です。
学校と事業所の情報をうまくつなぐポイント
学校と放課後等デイサービスの双方に共有した方がよい情報がある場合は、必要に応じて連携を検討しましょう。
- 学校での出来事を必要に応じて事業所へ伝える
- 事業所での様子を必要に応じて学校へ伝える
- 共通して気になることがあれば、それぞれに相談する
- 必要に応じて学校と事業所の連携方法を相談する
学校と事業所が直接情報共有をする場合は、保護者への説明や同意、個人情報の取扱いに関するルールなどを確認したうえで進めます。
連絡帳を通じて情報共有しやすい関係をつくるコツ
連絡帳は、日々の情報を共有するためのコミュニケーション手段の一つです。必要な情報を伝え合うことで、家庭と事業所が子どもの様子を理解する助けになります。
小さな気づきも必要に応じて共有する
大きな出来事だけでなく、最近気になった変化を伝えることもあります。
たとえば「最近、朝ごはんを残すことが増えました」「新しい靴を気に入っています」といった情報です。
一見小さな出来事でも、子どもの状態を知る参考になる場合があります。
できたことや楽しかったことも共有する
困りごとだけでなく、家庭でできたことや楽しかった出来事を伝えることも、子どもの様子を理解する材料になります。
たとえば「事業所で取り組んだ片付けを家でもやっていました」といった情報があれば、事業所と家庭の両方での様子を確認できます。
子どものさまざまな姿を共有することを意識してみましょう。
疑問や不安は早めに確認する
気になることがあれば、長く抱え込まず事業所に確認してみましょう。
たとえば「最近、事業所から帰った後に疲れている様子がありますが、活動中はどうでしょうか」と具体的に尋ねる方法があります。
連絡帳だけで伝えにくい内容であれば、電話や面談など別の方法で相談することもできます。
連絡帳だけで難しい話は面談や電話も活用する
詳しい相談は、連絡帳だけでは十分に伝わらないことがあります。内容に応じて連絡方法を使い分けましょう。
- 日々の様子や短い連絡 → 連絡帳やアプリ
- 詳しい相談や今後の支援についての話 → 面談
- 急ぎの連絡や体調の変化 → 事業所が指定する緊急時の連絡方法
事業所によって連絡方法のルールが異なるため、事前に確認しておくと安心です。
連絡帳がうまく機能しないと感じたときの対処法
「知りたい情報が分からない」「伝えたことがうまく共有されていない」と感じることもあるでしょう。その場合は、連絡帳だけで判断せず、事業所と確認することが大切です。
記載内容が少ない・知りたいことが分からないとき
連絡帳の記載が少なく、知りたいことが分からない場合は、具体的に質問してみましょう。
たとえば「他の子どもとの関わりはどのような様子でしたか」「苦手な活動ではどのように過ごしていましたか」と尋ねる方法があります。
また、連絡帳以外にアプリや口頭などで情報を共有している場合もあるため、事業所の連絡方法も確認してみましょう。
伝えたことが反映されていないと感じたら
家庭から伝えた内容について確認したい場合は、口頭や電話などで直接尋ねる方法があります。
たとえば送迎時などに「先日お伝えした件について、現在どのような状況でしょうか」と確認すると、連絡帳だけでは分からなかった事情を聞ける場合があります。
十分な説明が得られない場合や対応について相談したい場合は、事業所の管理者などに相談する方法もあります。
相談支援専門員に相談するという選択肢
事業所との話し合いだけでは整理が難しい場合、担当の相談支援専門員がいる方は相談することもできます。
相談支援専門員は、障害児支援利用計画の作成やモニタリングなどを通して、本人や家族の状況に応じたサービス利用を支援する専門職です。
事業所との関係や今後のサービス利用について相談できる場合もあります。
担当の相談支援専門員がいない場合は、お住まいの自治体の障害福祉・障害児支援に関する窓口などへ相談すると、利用できる相談窓口について案内を受けられる場合があります。
事業所を見直したいと感じたときは
情報共有や支援について気になる状態が続く場合は、まず事業所と話し合い、状況を確認することが大切です。
たとえば、次のような場合です。
- 必要な情報が十分に共有されない状態が続いている
- 質問や相談をしても説明が得られない
- 重要な出来事について十分な説明がない
- 支援方法について疑問や不安が続いている
- 子どもの行き渋りなど、気になる変化が続いている
ただし、子どもの行き渋りにはさまざまな理由が考えられます。すぐに事業所の問題と判断せず、本人の様子や背景を確認することが大切です。
事業所と相談したうえで、必要に応じて相談支援専門員など第三者へ相談したり、他の事業所を見学して比較したりする方法もあります。
よくある質問(FAQ)
連絡帳は毎回書く必要がありますか?
保護者が毎回記入する必要があるかどうかは、事業所の運用によって異なります。
体調や気分の変化、家庭での出来事など、事業所での支援に関係しそうな情報がある場合は伝えておくとよいでしょう。
記入方法や頻度について分からない場合は、利用している事業所に確認してください。
デジタル連絡帳と紙、どちらがよいですか?
連絡帳の形式は事業所によって決められている場合が多く、保護者が自由に選べるとは限りません。
スマートフォンから確認できる方法を希望する場合はアプリを利用している事業所、紙で確認したい場合は紙の連絡帳を使用している事業所など、利用前に情報共有の方法を確認しておくとよいでしょう。
連絡帳の内容は学校と共有できますか?
保護者自身が必要な情報を学校に伝える方法があります。
一方、放課後等デイサービスと学校が直接子どもの個人情報を共有する場合は、保護者への説明や同意、各機関の個人情報取扱いルールなどに沿って進めることが大切です。
連絡帳の内容をそのまま共有する必要があるとは限りません。どの情報を、どのような方法で共有するかを事業所や学校と相談しましょう。
スタッフに直接話したいときはどうすればよいですか?
送迎時に声をかけたり、電話や面談で相談したいことを伝えたりする方法があります。
ただし、送迎時には十分な時間を取れない場合もあります。詳しく相談したい場合は、事前に事業所へ連絡し、面談や電話で話せる時間について相談するとよいでしょう。
まとめ
放課後等デイサービスの連絡帳は、家庭と事業所が子どもの様子を共有するために使われる方法の一つです。
ただし、連絡帳の有無や形式、記入頻度、共有される内容は事業所によって異なります。
大切なポイントを振り返ってみましょう。
- 活動内容や子どもの様子、生活面などが共有される場合がある
- 家庭からも体調や気になる変化などを必要に応じて伝える
- 学校と事業所では連絡方法や共有内容が異なる
- 学校との情報共有では個人情報の取扱いにも注意する
- 詳しい相談は連絡帳だけでなく面談や電話なども活用する
- 必要に応じて相談支援専門員や自治体の相談窓口へ相談する
連絡帳だけですべてを伝えようとする必要はありません。子どもの状態や相談内容に応じて、連絡帳・アプリ・電話・面談などを使い分けながら、家庭と事業所で必要な情報を共有していくことが大切です。

