「放課後等デイサービスは何歳まで利用できるの?」「高校卒業後に利用できる支援はあるの?」と気になっている保護者もいるのではないでしょうか。
放課後等デイサービスは、原則として18歳未満の就学している障害児を対象とするサービスです。ただし、市区町村が継続した支援の必要性を認めた場合には、満20歳に達するまで利用できる特例があります。
この記事では、放課後等デイサービスを利用できる年齢や、利用の見直しを考えるときの確認点、高校卒業後に検討できる支援について解説します。
放課後等デイサービスはいつまで利用できるのか
原則として18歳未満の就学児が対象
放課後等デイサービスは、学校教育法に規定する学校などに就学している障害児を対象とした障害児通所支援です。
原則として18歳未満が対象であり、一般的には高校や特別支援学校高等部を卒業する時期が、利用終了の一つの区切りになります。
ただし、利用終了日はすべての人が一律に「高校3年生の3月末」と決められているわけではありません。本人の年齢や在学状況、市区町村による支給決定の期間などによって異なる場合があります。
正確な利用終了時期については、通所受給者証の有効期間を確認したうえで、市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援専門員に確認することが大切です。
必要性が認められれば20歳まで利用できる場合がある
18歳以降も、引き続き放課後等デイサービスを利用しなければ本人の福祉を損なうおそれがあると市区町村が認めた場合は、満20歳に達するまで利用できる特例があります。
ただし、本人や家族が希望すれば必ず利用期間を延長できるわけではありません。市区町村が本人の状態や支援の必要性、成人向け障害福祉サービスへの移行状況などを確認して判断します。
また、18歳以降の特例利用では、原則として本人が申請を行います。生活介護など、本人に合った別の支援を利用できる場合には、特例による継続利用の対象とならないことがあります。
高校卒業後も継続した支援が必要と考えられる場合は、卒業直前ではなく、早めに市区町村や相談支援専門員へ相談しておきましょう。
放課後等デイサービスの利用を見直すタイミング
放課後等デイサービスには、全員に共通する「卒業基準」が設けられているわけではありません。
本人の希望や現在の困りごと、支援目標、学校や家庭での様子などを確認しながら、利用の継続、利用日数の調整、事業所の変更などを検討します。
本人の希望や負担感が変化したとき
本人が事業所へ通うことに強い負担を感じている場合は、その理由を確認することが大切です。
活動内容が年齢や興味に合わなくなった、人間関係で困っている、学校生活の疲れが大きいなど、さまざまな理由が考えられます。
すぐに利用を終了すると決めるのではなく、次のような対応が可能か事業所へ相談してみましょう。
- 利用する曜日や日数を変更する
- 参加する活動を調整する
- 休憩できる場所を用意する
- 本人と相性の合う支援者に相談する
- 年齢層や活動内容が合う別の事業所を検討する
必要とする支援内容が変わったとき
成長や生活環境の変化に伴い、本人が必要とする支援内容も変わることがあります。
たとえば、これまで運動や遊びを中心とした活動を利用していた人が、進学や就職を見据えて、生活スキルやコミュニケーション、働くための準備を希望する場合があります。
現在の事業所で支援内容を調整できることもあるため、まずは個別支援計画の見直しについて相談します。そのうえで、必要に応じて中高生向けの活動や就労準備に取り組む事業所への変更を検討します。
新しい活動や居場所が増えたとき
部活動、地域活動、習い事、友人との交流など、放課後等デイサービス以外に安心して過ごせる場所が増えることもあります。
新しい活動が始まったからといって、すぐに放課後等デイサービスを終了する必要はありません。本人の負担や支援の必要性を確認しながら、利用日数を少しずつ減らす方法もあります。
新しい居場所で困ったときに相談できる人がいるか、生活上の支援が不足しないかも確認しておきましょう。
放課後等デイサービスの利用終了を考えるときの確認点
本人がどのように過ごしたいか
利用を続けるか終了するかを考えるときは、本人の気持ちや希望を確認することが重要です。
本人がうまく言葉で説明できない場合は、表情や行動、選びやすい選択肢などを通して意思を確認します。保護者や支援者だけで結論を決めず、本人が理解しやすい方法で話し合いましょう。
現在も必要な支援が残っているか
できることが増えていても、すぐに支援が不要になるとは限りません。
次のような点を、家庭、学校、事業所で共有して確認します。
- 生活や外出で困っていることはないか
- 学校や家庭以外で安心して過ごせる場所があるか
- 困ったときに相談できる人がいるか
- 環境の変化によって負担が大きくならないか
- 次の進路に向けて必要な準備ができているか
一つの行動ができるかどうかだけではなく、本人の生活全体を確認することが大切です。
利用終了後の支援先が決まっているか
放課後等デイサービスの利用を終了する前に、次に利用する支援や日中の活動場所を確認しておきましょう。
進路によっては、事業所見学、市区町村への申請、サービス等利用計画の作成などに時間がかかる場合があります。
現在利用している放課後等デイサービス、学校、市区町村、相談支援専門員などと連携し、支援が途切れないように準備することが重要です。
卒業後の進路として検討できる就労支援
高校卒業後に働くことを希望する場合は、本人の希望や得意なこと、必要な配慮に応じて、複数の就労支援を検討できます。
就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援A型・B型などの障害福祉サービスには対象要件があり、利用には市区町村の支給決定が必要です。一方、障害者就業・生活支援センターは、障害福祉サービスではなく、就業面と生活面の相談・支援を行う機関です。
就労選択支援で働き方を整理する
就労選択支援は、本人が自分に合った就労先や働き方を選べるように支援する障害福祉サービスです。
短期間の作業体験などを通して、本人の希望、得意なこと、苦手なこと、必要な配慮などを整理します。その結果を本人や家族、学校、関係機関と共有し、今後の就労支援につなげます。
特別支援学校高等部などに在学している間に利用できる場合もあります。利用できる時期や手続きについては、学校や市区町村へ確認してください。
就労移行支援で一般就労を目指す
就労移行支援は、一般企業などへの就職を希望し、就労が可能と見込まれる人を対象とするサービスです。
事業所によって異なりますが、次のような支援が行われます。
- 作業や職場体験
- パソコン操作などの訓練
- 応募書類や面接の準備
- 本人に合った職場探し
- 就職後の職場定着に向けた相談
訓練内容や得意とする職種は事業所によって異なるため、見学や体験を通して確認することが大切です。
就労継続支援A型・B型で働く機会を得る
一般企業への就職が難しい場合には、就労継続支援A型やB型を利用できることがあります。
就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結び、支援を受けながら働くサービスです。
就労継続支援B型は、雇用契約を結ばず、本人の状態やペースに合わせて生産活動などに取り組むサービスです。作業に応じて工賃が支払われます。
A型とB型では、雇用契約の有無、働き方、利用条件などが異なります。B型の利用前には、就労選択支援などによるアセスメントが必要になる場合があります。
障害者就業・生活支援センターへ相談する
障害者就業・生活支援センターは、就職を希望する人や働いている人に対し、就業面と生活面の相談・支援を一体的に行う機関です。「なかぽつ」と呼ばれることもあります。
本人の状況に応じて、ハローワーク、学校、福祉サービス事業所、医療機関、企業などと連携しながら支援します。
福祉サービスのように毎日通う場所ではなく、仕事探しや職場での困りごと、働き続けるための生活上の相談などを行う相談機関です。
卒業後に利用できる生活支援や日中の活動場所
自立訓練で生活能力の維持・向上を目指す
自立訓練は、地域で生活するために必要な能力の維持・向上を支援する障害福祉サービスです。
自立訓練には、身体機能に関する支援を行う機能訓練と、日常生活に関する支援を行う生活訓練があります。
生活訓練では、事業所や本人の状況に応じて、次のような内容に取り組みます。
- 生活リズムを整える
- 食事や家事について練習する
- 金銭管理について学ぶ
- 公共交通機関の利用を練習する
- 地域生活について相談する
すぐに就職することよりも、まず生活面の準備を進めたい場合に検討できる選択肢です。
生活介護で日中の介護や活動支援を受ける
生活介護は、常時介護などの支援を必要とし、一定の対象要件を満たす人に対して、主として昼間に支援を行う障害福祉サービスです。
事業所では、本人の状況に応じて、食事や排せつなどの介護、生活に関する相談、創作的活動、生産活動などが行われます。
利用には、原則として障害支援区分などの要件があります。本人が対象になるかどうかは、市区町村や相談支援専門員へ確認してください。
地域活動支援センターで地域との交流を持つ
地域活動支援センターは、障害のある人に創作的活動や生産活動、社会との交流の機会などを提供する施設です。
活動内容や利用条件、開所日数などは、自治体やセンターによって異なります。趣味の活動や交流、相談支援などを行っている地域もあります。
利用を検討する場合は、住んでいる地域にセンターがあるか、市区町村の障害福祉担当窓口へ確認しましょう。
日中一時支援を家族の就労や休息時に利用する
日中一時支援は、障害のある人の日中の活動場所を確保し、家族の就労支援や一時的な休息につなげる地域生活支援事業です。
障害福祉サービス事業所や障害者支援施設などで、日中の見守りや活動の支援が行われます。
ただし、日中一時支援は市区町村が任意で実施する事業です。実施の有無、対象者、利用できる時間、送迎の有無、申請方法などは自治体によって異なります。
毎日の通所先として利用できるとは限らないため、利用目的や頻度について事前に確認してください。
卒業後の進路は早めに準備することが大切
卒業後に利用する障害福祉サービスは、希望する事業所がすぐに利用できるとは限りません。見学や体験、市区町村への申請、相談支援専門員との調整などが必要になる場合があります。
進路を考えるときは、次の点を確認しておきましょう。
- 本人が希望する生活や働き方
- 本人が得意なことや負担を感じやすいこと
- 必要な介助や配慮
- 通所方法や送迎の有無
- 利用できる曜日や時間
- 利用開始までに必要な申請
- 家族が困ったときの相談先
本人の希望を中心に、学校、放課後等デイサービス、市区町村、相談支援専門員などと情報を共有しながら準備を進めることが大切です。
まとめ|利用できる年齢と卒業後の支援を早めに確認しよう
放課後等デイサービスは、原則として18歳未満の就学している障害児を対象とするサービスです。ただし、市区町村が継続した支援の必要性を認めた場合には、満20歳に達するまで利用できることがあります。
利用を終了する時期は、できることの数だけで決めるものではありません。本人の希望、現在の支援ニーズ、学校や家庭での状況、次の支援先などを総合的に確認する必要があります。
高校卒業後には、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、自立訓練、生活介護など、本人の状況に応じて検討できる支援があります。
支援が途切れないよう、学校や現在利用している事業所、相談支援専門員、市区町村の障害福祉担当窓口と早めに相談し、本人に合った進路を検討しましょう。

