児童発達支援を検討する保護者が知っておきたい5つのこと

児童発達支援

子どもの言葉の発達や集団生活について気になることがあると、療育を始める時期や児童発達支援の利用方法に迷うことがあります。

この記事では、3歳頃の言葉の遅れ、療育を始める時期、幼稚園・保育園との併用、利用日数、保護者と離れる際に泣く場合の対応について解説します。

子どもの発達状況や利用できる支援は一人ひとり異なります。自治体や事業所による違いもあるため、実際に利用を検討するときは関係機関へ確認することが大切です。

1.3歳の言葉の遅れが気になるとき

3歳頃の言葉の発達には個人差があります。言葉がゆっくりになる背景には、子どもの発達のペース、聞こえ方、コミュニケーションの特徴、周囲の環境など、さまざまな要因が考えられます。

言葉の遅れだけを理由に、保護者の愛情不足や育て方が原因だと判断することはできません。

一方で、言葉の遅れが続いている場合や、呼びかけへの反応が少ない場合、聞こえ方が気になる場合などは、専門機関への相談を検討しましょう。

言葉の発達について相談・確認できる場所や機会には、以下があります。

  • 市区町村の保健センターやこども家庭センター
  • 3歳児健診などの乳幼児健診
  • かかりつけの小児科
  • 聞こえ方が気になる場合の耳鼻咽喉科
  • 自治体の発達相談窓口
  • 児童発達支援センターや児童発達支援事業所

家庭では、子どもが見ているものや興味を持っているものを短い言葉で表す、返事を急がずに待つ、絵本や遊びを通して言葉に触れるといった関わり方があります。

ただし、特定の声かけをすれば必ず言葉が増えるわけではありません。子どもの反応や発達の状況に合わせ、無理のない範囲で関わることが大切です。

児童発達支援で受けられる支援内容や職員の配置は、事業所によって異なります。言語聴覚士による支援を希望する場合は、職員配置や具体的な支援内容を事前に確認しましょう。

2.療育はいつから始める?期待できることと相談のタイミング

療育とは、子どもの発達状況や特性に応じて、生活、遊び、コミュニケーション、人との関わりなどを支える取り組みの総称として使われる言葉です。

児童発達支援は、主に未就学の子どもを対象とする障害児通所支援の一つです。そのため、療育と児童発達支援は完全に同じ意味ではありません。

療育や発達支援を始める時期に、すべての子どもに共通する正解はありません。子どもの発達状況、家庭で困っていること、園での様子などを確認しながら、必要な支援や開始時期を検討します。

早い段階で相談することには、以下のような意味があります。

  • 子どもが困っている場面や得意なことを整理できる
  • 子どもに伝わりやすい関わり方を検討できる
  • 家庭や園での環境を調整するきっかけになる
  • 保護者が悩みを相談し、必要な情報を得られる

ただし、療育を始めれば必ず発達が早まる、困りごとがなくなるというものではありません。支援による変化には個人差があります。

児童発達支援では、子ども本人への支援に加えて、保護者への相談支援や情報提供が行われることがあります。ペアレントトレーニングなどの家族支援プログラムを実施しているかは、事業所によって異なります。

発達について気になることがあっても、すぐに児童発達支援の利用を決める必要はありません。まずは乳幼児健診、市区町村の相談窓口、小児科、発達相談機関などに相談し、子どもや家庭に合った方法を検討しましょう。

3.児童発達支援と幼稚園・保育園は併用できる?

児童発達支援と幼稚園、保育園、認定こども園などを併用することは、一般的に可能です。このような利用方法は「併行通園」や「併行利用」と呼ばれることがあります。

ただし、実際に併用できる曜日や時間、利用方法は、自治体、園、児童発達支援事業所、受給者証に記載された支給量などによって異なります。

併行利用では、園で同年代の子どもと生活する経験を持ちながら、児童発達支援で子どもの発達状況や特性に応じた支援を受けることができます。

児童発達支援は、必ずしもマンツーマンで行われるものではありません。個別活動、小集団活動、集団活動など、支援の形は事業所によって異なります。

併行利用を検討するときは、以下の点を確認しましょう。

  • 受給者証に記載された支給量
  • 園を休む曜日や時間の扱い
  • 児童発達支援事業所の空き状況
  • 子どもの体力や生活リズム
  • 園と事業所の情報共有方法
  • 送迎の有無、対象範囲、時間

事業所によっては、園への迎えや自宅への送りを行っている場合があります。ただし、送迎の有無や対象地域、対応できる園は事業所ごとに異なります。

送迎サービスが保護者の負担軽減につながる場合もありますが、送迎があれば必ず両立できるとは限りません。利用時間や帰宅時刻も含めて確認することが大切です。

4.児童発達支援には月何日通える?支給量の決まり方

児童発達支援は、希望する日数を無制限に利用できるサービスではありません。

市区町村が通所給付決定を行い、受給者証に「月○日」などの支給量を記載します。利用者は、原則としてその支給量の範囲内で児童発達支援を利用します。

支給量は、主に以下のような情報を踏まえて、市区町村が個別に判断します。

  • 子どもの心身の状況
  • 家庭や園などでの生活状況
  • 保護者や家族の養育状況
  • 現在利用している保健・医療・福祉サービス
  • 子どもや保護者の利用意向
  • 障害児支援利用計画案などの内容

申請時に必要な書類や確認方法は、自治体や子どもの状況によって異なります。申請前に市区町村の担当窓口へ確認しましょう。

受給者証に記載された支給量は、利用できる日数の上限です。事業所の定員や空き状況によっては、支給量の日数すべてを利用できない場合があります。

全国共通の「週に何回が適切」という基準はありません。利用頻度は、子どもの体調、生活リズム、園との併用状況、支援の目的、家庭の希望などを踏まえて検討します。

利用開始後に子どもや家庭の状況が変わった場合は、支給量の変更を申請できる場合があります。変更の手続きは市区町村によって異なるため、自治体の担当窓口や相談支援事業所へ確認しましょう。

5.児童発達支援で保護者と離れると泣くときの対応

幼い子どもが、慣れない場所で保護者と離れる際に泣くことは珍しくありません。ただし、泣くという行動だけで、愛着関係が良好である、または問題があると判断することはできません。

子どもが泣く背景には、以下のような理由が考えられます。

  • 保護者と離れることへの不安
  • 場所や職員に慣れていない
  • その日の流れを予測しにくい
  • 音、光、人の多さなどが負担になっている
  • 疲れや空腹、体調不良がある
  • 気持ちを言葉で伝えることが難しい

泣いたことだけで、子どもにトラウマが生じたと判断することはできません。一方で、強い泣き方が長時間続く、通所前から体調を崩す、睡眠や食事に大きな変化が出るなどの場合は、支援方法の見直しが必要なことがあります。

事業所では、子どもの状態に応じて、短時間の利用から始める、保護者が同席する時間を設ける、予定を写真や絵で示す、安心できる玩具を用意するといった工夫を行う場合があります。

対応方法は事業所や子どもの状態によって異なります。保護者だけで判断せず、職員と子どもの様子を共有しながら進めることが大切です。

家庭で送り出すときは、長い説明を繰り返すよりも、「この活動が終わったら迎えに来るよ」など、子どもに伝わりやすい短い言葉で予定を伝えます。

保護者が気づかれないように突然いなくなると、子どもが不安を強める場合があります。事業所と対応を相談したうえで、短くあいさつをし、できるだけ落ち着いた態度で離れる方法を検討しましょう。

子どもの強い不安が続く場合や、睡眠、食事、家庭での生活などにも影響が出ている場合は、児童発達支援事業所だけでなく、市区町村の発達相談窓口、小児科、保健師などへの相談も検討してください。

まとめ

言葉の発達や療育を始める時期、児童発達支援の利用方法に、すべての子どもに共通する正解はありません。

児童発達支援と幼稚園・保育園の併用や利用日数は、子どもの状況、受給者証の支給量、自治体や事業所の運用などによって異なります。

保護者と離れる際に泣く場合も、泣くことだけで問題の有無を判断せず、子どもの様子や生活への影響を確認することが大切です。気になることがある場合は、一人で判断せず、自治体の相談窓口、医療機関、児童発達支援事業所などと情報を共有しながら、子どもに合った支援を検討しましょう。

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