しつけのせい?子どもが落ち着きがない5つの理由と今日できる対応

児童発達支援

「保育園で落ち着きがないと指摘された」「もしかして私のしつけのせい?」と、不安になっている方もいるのではないでしょうか。

子どもの落ち着きのなさには、年齢による発達段階、睡眠や疲れ、周囲の環境、本人の特性など、さまざまな要因が関係します。落ち着きがないという行動だけで、しつけの問題や発達障害と判断することはできません。

本記事では、子どもが落ち着きがないと感じる場面や考えられる理由、家庭でできる関わり方を解説します。専門家への相談を考える目安や、児童発達支援・放課後等デイサービスについても紹介します。

  1. 子どもが落ち着きがないと感じるよくあるケース
    1. じっと座っていることが難しい
    2. 話を最後まで聞くことが難しい
    3. 思いついたことをすぐ行動に移す
  2. 子どもが落ち着きがない背景にある5つの理由
    1. 1.年齢による発達段階
    2. 2.睡眠不足や疲れなどの影響
    3. 3.周囲の刺激が多い
    4. 4.先の見通しが持てず不安になっている
    5. 5.注意や感覚などに個人差・発達特性がある
  3. 子どもが落ち着いて過ごしやすくする家庭での関わり方
    1. 目で見て分かるように伝える
    2. 気が散りにくい環境を整える
    3. 次の行動を事前に知らせる
    4. 安全に体を動かせる時間を作る
    5. できている行動を具体的に伝える
  4. 子どもの落ち着きが気になるときに専門家への相談を考える目安
    1. 家庭と園など複数の場面で困りごとが続いている
    2. 困りごとが長く続いている
    3. 本人や家族の日常生活に大きな影響がある
  5. 子どもの落ち着きが気になるときの相談先
    1. 通っている保育園や幼稚園
    2. 自治体の子育て・発達相談窓口
    3. 小児科や発達を専門とする医療機関
  6. 必要に応じて児童発達支援や放課後等デイサービスを活用する
    1. 児童発達支援とは
    2. 放課後等デイサービスとは
    3. 障害児通所支援を利用するまでの一般的な流れ
  7. 子どもが落ち着きがないことで自分を責めすぎないために
    1. 「しつけだけの問題」と決めつけない
    2. 家庭だけで悩まず第三者に相談する
    3. 保護者の体験談は参考情報として活用する
  8. まとめ|子どもが落ち着きがないときは行動の背景を見てみよう

子どもが落ち着きがないと感じるよくあるケース

幼児期は、注意を一つのことに向け続けたり、気持ちや行動を切り替えたりする力が発達している途中です。そのため、大人から見ると「落ち着きがない」と感じる行動がみられることがあります。

まずは、家庭や園でよく気になりやすい場面を確認してみましょう。

じっと座っていることが難しい

食事中や絵本の時間などに、長く座っていることが難しい子どももいます。

たとえば、ご飯の途中で席を立ったり、園の朝の会で体を動かしたりすることがあります。周囲に興味を引くものがあると、そちらへ移動することもあるでしょう。

ただし、どの程度座っていられるかには年齢やその日の体調、活動への興味などによって個人差があります。

話を最後まで聞くことが難しい

大人が話している途中で別の話を始めたり、説明の途中で行動したりすることがあります。

幼い子どもは、話に注意を向け続けたり、自分の気持ちを抑えて順番を待ったりする力が発達している途中です。

園では先生の説明中に別のおもちゃが気になったり、家庭では親の話の途中で「これ見て」と話しかけたりすることもあります。

一度の行動だけで問題と判断せず、年齢や場面、その行動がどの程度続いているかを見ることが大切です。

思いついたことをすぐ行動に移す

気になるものを見つけたときに、周囲を十分に確認せず動き出す子どももいます。

たとえば、公園から道路側へ走ろうとしたり、買い物中に興味のある売り場へ向かったりすることがあります。

飛び出しなど安全に関わる行動がある場合は、年齢や原因にかかわらず、まず事故を防ぐ環境づくりが重要です。

子どもが落ち着きがない背景にある5つの理由

子どもの落ち着きのなさを、単純に「しつけができていない」と考える必要はありません。

発達段階や体調、環境、本人の感じ方など、いくつもの要因が関係していることがあります。

1.年齢による発達段階

幼児期は、自分の気持ちや行動を調整する力が発達している途中です。

興味のあるものを見つけるとすぐに近づいたり、遊びから食事へ気持ちを切り替えるのに時間がかかったりすることがあります。

同じ年齢でも発達のペースには個人差があります。そのため、「何歳なら必ずこれくらい座れる」と一律に考えるのではなく、その子なりの変化を見ていくことが大切です。

2.睡眠不足や疲れなどの影響

睡眠不足や疲れ、空腹、体調不良などによって、普段より落ち着きにくくなることがあります。

眠いときに機嫌が悪くなったり、疲れている夕方になると動きが激しくなったりする子どももいます。

落ち着きのなさが気になるときは、行動だけを見るのではなく、睡眠時間や生活リズム、食事、体調なども一緒に確認してみましょう。

3.周囲の刺激が多い

音や光、目に入るものが多い環境では、注意がさまざまなものへ向きやすくなることがあります。

たとえば、次のような環境では気が散る子どももいます。

  • たくさんのおもちゃが目に入る
  • テレビや動画の音が流れている
  • 人の出入りが多い
  • 窓の外の車や人の動きがよく見える

すべての刺激をなくす必要はありませんが、食事や着替えなど集中したい場面では、周囲を少し整理すると取り組みやすくなる場合があります。

4.先の見通しが持てず不安になっている

「次に何をするのか」「いつ終わるのか」が分からないことが、不安や落ち着かなさにつながる場合があります。

特に、初めての場所や普段と違う予定では、そわそわしたり、同じことを何度も確認したりする子どももいます。

予定を簡単に伝えたり、次の活動をあらかじめ知らせたりすることで、安心して行動しやすくなることがあります。

5.注意や感覚などに個人差・発達特性がある

注意を一つのことに向け続けることや、思いついた行動をいったん止めることが苦手な子どももいます。

また、音や光に敏感だったり、反対に体を大きく動かす遊びを好んだりするなど、感覚の受け取り方に特徴がみられる場合もあります。

こうした特徴があるからといって、すぐに発達障害と判断できるわけではありません。年齢や生活環境なども含めて総合的に考える必要があります。

子どもが落ち着いて過ごしやすくする家庭での関わり方

家庭では、子どもを何度も注意するだけでなく、行動しやすい環境を整えるという視点も役立ちます。

すべての方法がすべての子どもに合うわけではないため、反応を見ながら無理のない範囲で試してみましょう。

目で見て分かるように伝える

言葉だけの説明より、絵や写真などがある方が理解しやすい子どももいます。

たとえば、次のような方法があります。

  • 手洗いや着替えの順番を絵で示す
  • おもちゃを片付ける場所を分かりやすくする
  • タイマーなどを使って活動の終わりを知らせる

子どもが理解しやすい方法を探しながら使うことがポイントです。

気が散りにくい環境を整える

食事や着替えなど一つのことに取り組みたい場面では、周囲の刺激を減らす方法があります。

たとえば、使っていないおもちゃを一度片付けたり、テレビを消したりすることで、目の前の活動へ注意を向けやすくなる場合があります。

何もない部屋にする必要はなく、その子が過ごしやすい環境を探すことが大切です。

次の行動を事前に知らせる

突然「もう終わり」と言われると、遊びから次の行動へ切り替えることが難しい子どももいます。

そのような場合は、「あと5分でご飯だよ」「あと3回すべり台をしたら帰ろう」など、事前に知らせてみましょう。

子どもによっては、時間よりも回数や絵で伝えた方が理解しやすい場合もあります。

安全に体を動かせる時間を作る

走る、跳ぶ、登るなど、体を動かす遊びを好む子どももいます。

公園で遊んだり、室内で安全に体を動かせる遊びを取り入れたりする方法があります。

ただし、高いところからのジャンプなどは事故につながることがあります。子どもの年齢や運動能力に合わせ、大人が安全を確認できる環境で行いましょう。

できている行動を具体的に伝える

注意する場面だけでなく、できていることにも目を向けてみましょう。

「えらいね」だけでなく、「椅子に座って食べられたね」「自分でおもちゃを戻せたね」のように、できた行動を具体的に伝えます。

子ども自身が「何ができたのか」を理解する手がかりになります。

子どもの落ち着きが気になるときに専門家への相談を考える目安

「落ち着きがない」という行動だけで、発達障害かどうかを家庭で判断することはできません。

一方で、困りごとが続いている場合は、診断の有無にかかわらず相談して構いません。次のような状況は、相談を考える一つの目安になります。

家庭と園など複数の場面で困りごとが続いている

家庭だけでなく、保育園や幼稚園など複数の場面で同じような困りごとが続いている場合は、園の先生などと情報を共有してみましょう。

一方、家庭では落ち着いていて園だけで困っている場合には、集団の大きさや音、活動内容など環境との関係が影響している可能性もあります。

「周りの子よりできるか」だけではなく、どの場面で何が起きているかを整理することが重要です。

困りごとが長く続いている

寝不足や体調不良などによる一時的な変化ではなく、同じような困りごとが継続しているかも確認します。

気になる行動があれば、「いつ」「どこで」「何をしているときに」「どのくらい続いたか」を簡単に記録しておくと、園や専門家へ相談するときに役立ちます。

本人や家族の日常生活に大きな影響がある

特に重視したいのは、落ち着きのなさそのものより、本人や家族がどの程度困っているかです。

たとえば、次のような場合があります。

  • 道路への飛び出しなど安全面の心配が大きい
  • 園で活動に参加することが難しく本人がつらそうにしている
  • 友達とのトラブルが繰り返されている
  • 注意されることが多く、本人が自信をなくしている
  • 家庭での対応に保護者が強い負担を感じている

困りごとが大きい場合は、年齢にかかわらず早めに相談して構いません。

子どもの落ち着きが気になるときの相談先

発達について気になることがあっても、最初から診断を受ける必要があるとは限りません。

身近な相談先から状況を整理し、必要に応じて専門機関につなげてもらう方法があります。

通っている保育園や幼稚園

まず相談しやすいのが、日頃から子どもの様子を見ている保育士や幼稚園教諭です。

「家では食事中に何度も席を立つのですが、園ではどうですか」など、具体的な場面を伝えると比較しやすくなります。

家庭と園で様子が違うこともあるため、両方の情報を確認することが大切です。

自治体の子育て・発達相談窓口

市区町村には、子育てや子どもの発達について相談できる窓口があります。

保健センター、こども家庭センター、障害福祉担当窓口、発達相談窓口など、名称や相談体制は自治体によって異なります。

どこへ相談すればよいか分からない場合は、市区町村のホームページなどで「子ども 発達相談」と調べると確認しやすいでしょう。

小児科や発達を専門とする医療機関

発達や行動について医学的な相談が必要な場合は、かかりつけの小児科へ相談する方法があります。

必要に応じて、発達外来、小児神経科、児童精神科などを紹介されることもあります。

受診するときは、気になる行動を記録したメモや母子健康手帳、園から聞いている様子などがあると、状況を伝えやすくなります。

必要に応じて児童発達支援や放課後等デイサービスを活用する

子どもの状況によっては、障害児通所支援など専門的な支援を利用できる場合があります。

利用が必要かどうかは家庭だけで決めるものではありません。自治体や相談支援機関などと相談しながら、その子に合った支援を考えていきます。

児童発達支援とは

児童発達支援は、主に未就学の障害のある子どもなどに対して発達支援を行う障害児通所支援です。

支援では、子どもの状態や発達上のニーズを確認しながら、本人への支援だけでなく、家族への支援や、保育園・幼稚園などとの連携も行われます。

本人への支援は、次の5つの領域を踏まえて考えられます。

  • 健康・生活
  • 運動・感覚
  • 認知・行動
  • 言語・コミュニケーション
  • 人間関係・社会性

実際に行われる遊びや活動、職員の配置などは事業所によって異なります。

放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスは、学校等に就学している障害のある子どもが、授業終了後や学校の休業日などに利用する障害児通所支援です。

子どもの状態や発達上のニーズに合わせた本人支援のほか、家族支援、学校などへの移行や連携に関する支援、地域との連携なども行われます。

遊びや体験活動、生活に関する練習、コミュニケーションに関する活動、学習に関する支援などを取り入れている事業所もありますが、具体的な支援内容は事業所ごとに異なります。

利用を検討するときは、事業所名だけで決めず、支援方針や活動内容、職員との関わり方などを確認するとよいでしょう。

障害児通所支援を利用するまでの一般的な流れ

児童発達支援や放課後等デイサービスの利用には、市区町村から通所給付決定を受け、通所受給者証の交付を受ける必要があります。

一般的には、次のような流れで進みます。

  • 市区町村の担当窓口や相談支援機関に相談する
  • 利用を検討している事業所の情報を集め、必要に応じて見学する
  • 自治体の案内に沿って申請する
  • 障害児支援利用計画案など、必要な書類を準備する
  • 市区町村が支援の必要性や利用日数などを確認する
  • 通所給付決定後に受給者証が交付される
  • 利用する事業所と契約し、利用を開始する

必要書類や手続きの順番は自治体や子どもの状況によって異なります。診断書、意見書、障害者手帳など、支援の必要性を確認できる書類を求められる場合もあります。

申請から受給者証の交付までにかかる期間も一律ではないため、利用を検討している場合は早めに自治体へ確認しておくと安心です。

子どもが落ち着きがないことで自分を責めすぎないために

子どもが落ち着かないと、「私の育て方が悪いのでは」と考えてしまうことがあります。

しかし、子どもの行動は、しつけだけで決まるものではありません。発達段階、睡眠や体調、環境、本人の特性など、さまざまな要因が関係します。

「しつけだけの問題」と決めつけない

発達特性そのものは、親の愛情不足やしつけ不足によって生じるものではありません。

また、発達障害がなくても、幼児期には気持ちの切り替えや行動の調整が難しいことがあります。

「言うことを聞かないからもっと厳しくしなければ」と考えるだけではなく、「何が難しいのだろう」「どうすれば分かりやすいだろう」という視点で考えてみることも大切です。

家庭だけで悩まず第三者に相談する

家庭だけでは判断が難しい場合、園の先生や自治体の相談窓口、小児科などへ相談してみましょう。

家庭とは違う場面での様子を知ったり、子どもに合った環境の工夫を一緒に考えたりすることで、対応の選択肢が増えることがあります。

診断を受けるか迷っている段階でも、発達について相談することはできます。

保護者の体験談は参考情報として活用する

同じような悩みを持つ保護者の話を聞くことで、気持ちが整理されることもあります。

自治体や支援機関が開催する保護者向けの交流会などを利用する方法もあります。

SNSやブログにも多くの体験談がありますが、子どもの発達や必要な支援には大きな個人差があります。他の家庭でうまくいった方法が、自分の子どもにも同じように合うとは限りません。

医療や発達支援に関する判断は、体験談だけで決めず、必要に応じて専門家へ相談しましょう。

まとめ|子どもが落ち着きがないときは行動の背景を見てみよう

子どもの落ち着きのなさには、発達段階、睡眠や疲れ、周囲の刺激、不安、本人の特性など、さまざまな要因が関係します。

落ち着きがないという行動だけで、「しつけが悪い」「発達障害がある」と判断することはできません。

まずは、睡眠や生活リズムを確認したり、周囲の刺激を減らしたり、次の予定を分かりやすく伝えたりするなど、家庭でできる工夫から試してみましょう。

家庭や園など複数の場面で困りごとが続いている場合や、安全面・日常生活への影響が大きい場合は、保育園や幼稚園、自治体の相談窓口、小児科などに相談する方法があります。

必要に応じて児童発達支援や放課後等デイサービスなどの支援も活用しながら、その子に合った関わり方を考えていくことが大切です。

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